宅建士合格ブログVol.18<賃貸借契約・借地借家法>

賃料を支払い物を借りる(このブログでは「不動産」です)契約を賃貸借契約と言います。

借りる人を「賃借人」、貸す人を「賃貸人」と呼称します。

通常、アパートやマンションを大家さんから借りる場合などが該当します。

この賃貸借契約は「借地借家法」と言う民法に規定されています。

貸す人と借りる人の契約ですから自ずと双方に権利義務が生じます。

①賃貸人(貸す人)の義務について

(1)目的物(不動産)を使用させる→使用するに足る正常な状態で貸す義務がある。

(2)目的物を修繕する→住宅などの不具合(賃借人の責任ではない)があれば修繕する義務がある。

(3)費用の償還に応じる。(掛かった費用を弁償する)→賃貸人の同意を得て賃借人が立て替えた修繕費用などを支払う義務がある。

②賃借人(借りる人)の義務

(1)賃借料を支払う→契約で取り決めた賃借料を遅滞なく支払う。

(2)目的物(不動産)を返還する→賃貸借契約の終了後、原状回復(借りたときの状態にして)をして賃貸人に返還する。

(3)目的物の善管注意義務→賃貸物件を賃借している間は、善良な管理者としての注意をして賃貸物件を管理する。

*原状回復義務について:賃貸物件は借りた時の状態にして返還する義務はあるが、経年使用による自然な損耗(壁紙の汚れ・畳の擦り切れ等)は対象外。

*善管注意義務とは:賃貸借契約の場合は、借りている物件を丁寧に扱う(自分の物以上に注意をして)と言うこと。

賃貸借契約は契約が期限を迎えると終了しますが、賃貸人・賃借人双方から、契約満了日前の一定の期間内に更新拒絶の意思表示が無い場合は、当初の契約と同じ条件で自動更新されるのが一般的です。

<不動産賃借権の対抗力>

1.土地の場合

①土地賃借権が登記されている。(地主の協力が必要)

②借地上の建物が登記されている(地主の協力が得られない場合に有効)

③借地上に建物があったことが「掲示」されている。(火災で建物が滅失したような場合。効力は建物滅失から2年間)

2.建物の場合

①建物の賃借権が登記されている。(賃借権を登記しなくても借地上にある自分の建物の登記をしても対抗力あり)

②建物の引き渡しがあった場合。

<賃借権の譲渡と転貸>

①賃借権の譲渡とは

AがBから建物を賃借している場合、Cにその賃借権を譲渡することは可能ですが、賃貸人Bの同意が必要となります。

②賃貸借の転貸

AがBから建物を賃借している場合、Aが貸主となってCに建物を貸すことを賃借権の転貸と言います。この場合も賃貸人Bの承諾が必要です。賃貸人BはAが賃料を支払わないような場合、転借人Cに賃料を請求することが可能です。

*AB間の賃借料が5万円だった場合、AC間の賃料が7万円であったとしてもBはCに5万円しか請求できません。

<問題:平成28年度宅建士試験問題>

AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合、BがAに対して甲建物の賃料を支払期日になっても支払わない場合、AはCに対して賃料10万円をAに直接支払うよう請求することが出来る。

<解答:〇(正しい)>

こういう簡単な問題もたまに出るのです。サービス問題ですね。

適法な賃借権の転貸では転借人は賃貸人に対して直接に賃料の支払い義務が生じます。よって、賃借人Bが賃料を支払わない場合、AはCに直接賃料を請求することが出来ます。この場合、Aが受け取ることが出来る賃料は賃借料と転借料の少ない方までなので、Cに対して10万円を請求することが出来ます。