宅建士合格ブログVol.11<民法:時効②>

消滅時効とは?

前回の「取得時効」にたいして「消滅時効」の解説です。

取得時効と消滅時効は裏表のような関係で、時効によって取得できる権利があると言うことは時効によって失う権利もある、と言うこと。

前回ブログで解説したような「飲み代金のツケ払い」の請求権は1年で消滅しますが、「債権」の請求権は原則10年で消滅します。(貸金債権など)

では、この10年(原則です、債権内容によって時効期間は変わります)で時効が完成するためには、その「起算点」(時効が開始する時期)を捉えておく必要があります。

<消滅時効の起算点>

①確定期限(貸金の返済期限など)があるとき→期限が到来した時

②不確定期限(大学に受かったら金を返すetc~)のあるとき→期限が到来した時(大学に受かった時)

③期限の定めがない時(金はいつ返してもいいよetc~)→債権が成立した時

例えば、お金を貸した期限が12月31日に到来すると、その日から時効は進行して何もしなければ10年で時効は完成しますが、この時効が完成する前に時効を中断することが出来ます。

これは、貸したお金の権利をきちんと主張すると言うことですが、ここで重要なのはが単に督促状を出すとか、金を返してくれなどと請求するだけでは時効は中断しないのです。

<時効の中断事由>

①裁判上の請求(訴えの提起)

②裁判外の請求(6ヵ月以内に訴えの提起・差し押さえなどの手続きが必要)

③支払督促の申立て(裁判所書記官による金銭の督促をする処分)

④差押え・仮差押え・仮処分

⑤和解および調停の申立て

⑥債務の承認

どうですか?時効を中断させるためには強力な手続きが必要だと言うことがお判りいただけたと思います。

なお、「債務の承認」とは、債務者が債権の存在を認めることですが、貸したお金の一部でも返済することも「債務の承認」となります。

また、時効が完成していても債務者が債務の承認をした場合は時効を援用することが出来ません。

*時効が中断すると、進行していた時効期間はゼロになりその時点から新たに時効が進行することとなります。

*なお、時効により得られる利益を時効完成前に放棄することは出来ないこととなっています。

<問題:宅建士試験問題平成21年度出題>

「AはBに建物を賃貸し、Bに対して月額10万円の賃料債権を有している。AがBに対する賃料債権につき内容証明郵便により支払請求をしたときは、その請求により消滅時効は中断する。」

解答✖(誤り)

ちょっと簡単すぎましたね。

時効の中断は裁判上の請求など強力な手続きが必要です。内容証明郵便での請求だけでは時効は中断しないのです。

上記の中断事由をしっかり覚えておくことが大切です。